2011年05月27日

ハンカチ

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大阪でいつも走るコースは、

淀川河川敷に着くまでに

デカい工場や会社、古い住宅街を通る。

野田阪神駅前から176号線までつながる道路の

途中を左折する。夜はかなり静か。


角のマンションの二階には、有名な博多らーめん店の

真っ赤なTシャツが、いつも1,2枚干されてる。


その向かいには、元喫茶店の居抜き物件。

純喫茶風でいいかんじ?のレトロものなんだけど、

こんなわかりづらい場所ではそもそもムリだったでしょ…と思う。

当然1年くらい“テナント募集中”。


道路にはみ出して立ってる木には、しめ縄がついていて…

御神木かな。この木がなんか好きだ。




コインパーキングがあってその前、道のど真ん中に

ハンカチが落ちてた。


何かのお祝いの“お返し”で貰うようなかんじの、

百貨店で売ってそうなブランド。よくある、

ロゴが浮き出してるタオル地のやつ。男物。




新しい草の匂いがする公園を越えると

堤防の横に出る。

もっと濃厚な草や土の匂い。

子供の頃は神戸の田舎の方に居たから、珍しくなかったはずだけど。


土の匂いがわかるほどに、今の生活に土はない。






帰り道。

コインパーキングまで来て、さっき見た

落ちてるハンカチが変に気になった。



…。結局手にとってどうしようかと考える。


『ハンカチ一枚なくしても、誰も気にしないけどな…』


目立つ場所に置いておこう…と、探したものの適当な場所がない。

…再び周りを見渡して。電柱に横巻きされたワイヤーを発見、

そこにハンカチをひろげるカタチ(正方形)で挟み込んだ。

ロゴを見えるように…と。



1日目。


2日目。


3日目。

…4日が経っても、


やっぱり、ハンカチはそのままで居た。

干渉してしまったせいで、どうにもこのハンカチが気になる。


あーあ。余計なことをした。


…だいたい近所に住んでる人なのか、仕事でこの近くに来た人なのか、

わからないのに。車で来た人だったら他のパーキングだって使うし。


…明日から雨なんだよなぁ。



ふとコインパーキングの端の照明灯が目に入る。

高さ2mくらいのところに配電盤みたいなボックス。

そのボックスの下からは太めのケーブルが

ループ(輪)状になって出ていた。 


ハンカチをこのボックスの下にひっかけとこう。

多少の雨にも濡れないし、しっかり固定出来る。

通る人から見えなくもないし…って、やっぱり期待してんのかというと、



…たぶん落とし主は見つからないと思っている。


ただ。

毎日、太陽の光とか風にさらされて、

いつかボロボロになってく、ハンカチを見るのは嫌だった。

どこにも辿り着かなかったなぁ…みたいな気持ちというか…。


もちろん、誰も拾ってくれと頼んでないから、自己満足ゲームだけどね。

感謝されたいとかは思ってないし。

自分は1つ良い事しましたよって思いたかった…と。

…それも違うか。結局なんだ?と言われたら困るけど、


もしかしたら“賭け”をしてるだけなのかもしれない。


子供の頃によくやる

“あの電柱まで、何歩で辿り着いたらラッキー”とか“死ぬ”とか

ワケわかんないルールに似てる。

“もし持ち主があらわれたら”…なんなんだろう。


僕は何を賭けているのだろう。



ハンカチの持ち主は、

“ここをたまたま通っただけの人だった”…とか、

“落としたことさえ気づかなかった”…とか

“失くしても探すほどのものではなかった”…とか。

いくらでも負ける要素は出て来る。


今日持ち出した、そのガラさえ憶えていないもの。

ハンカチ1枚なんてそんなもん。




次の日、昼間は雨が降ってたが、夜にはやんだ。

走りに出る。



…ない。

…ないっ!よな…。

…ホントか?


配電盤の下から、横の溝から、コインパーキングの敷地内も探す。

風も考えてそこらじゅうの道を見て回った。


…なかった。



誰かが、引きとったのだ。と感じた。

たぶん持ち主。そこだけは勘。

誰が使ってたかわからないハンカチを僕なら使わない。



嬉しかった。




“誰か”にとって、そのよくあるハンカチは

“自分のものだ” と分かるものだったし

“また使おう”と思う“価値”があったのだ。



当たり前だと思うかな。

僕にとっては当たり前じゃない気がするんだけど。



それがなんだか嬉しい。





なんだかしあわせを感じたんだ。






ハンカチを引き取った“誰か”が絶対持ち主か?という奴はいるだろう。

そういうこと信じてみるのはバカかもしれないけどね。

少なくとも僕はいいんだ。







走るのは夜が多いけど、写真は昼
posted by 宇野伸茂 宇野正剛 at 21:05| 大阪 ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月05日

花見野球

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桜の樹の下で野球をした。

バットはそこらに落ちてた木の棒だったけど

投げる笑吉(しょうきち)くんは本気だし、グローブだってはめてた。

僕がよく行く福島区のバー・SMILEのマスター“まっさん”の長男8歳。


まっさんの声がけで集まった花見。

そりゃあ、大人の宴会なんて子供には退屈だよな。

僕も昔、正月に催される親戚たちとの会合が苦手だった。


“うららか”というのはこんなかんじをいうのだろう。

やわらかい風が吹いてた日。

こんな街中の公園でも、数は少ないけど遊具があって

笑吉くんの妹、笑花(えみか)ちゃんは馬の形の

ジャングルジム?によじ登ってた。


花見って結局、飲んで食べて話すくらいだから

一通り気がすんだ大人たちは

子供達につられて遊び始めた。


ビールを2本飲んだころ、座ってたブルーシートに

ころころと転がって来たボールは

誰かがアルミホイルを幾重にも丸めて作った球に替わっていた。

「あれ?ボール、どうしたんですか?」

「さっき○○さんが本気で打ってしまって…あのビルの上のどっかに」

アホだね〜、などと一緒に笑ったものの、気持ちがわからなくもない。


大人が手を抜いてると、子供はナメられてるのがわかるじゃない。

だから笑吉くんは余計必死で投げるし、打つ大人も差し込まれて本気で打った。

笑吉くんの勝ちだな。


後ろにそらしたボールを拾い疲れたキャッチャーに替わって座る。

しんどいし他の人は立ってやってたけどさ…

子供の頃よくピッチャーしてて。キャッチャーが座ってる方が投げやすい。


気持ちは伝わるもんで。

ここに来い!というところでかまえると、なかなかいいコントロール。

また、このアルミホイルのボール。いい重さだねぇ、投げやすい。

楽しくなってきた。

まぁ、多少飲んでることは別にして。

野球なんて何年ぶりだ。きれいに胸の前に返球してやろう。

このバッターの人は野球経験者だな…。



ん?

カーブ?

少し曲がって落ちた。バッター空振り。


…なんか、ちょっとだけ鳥肌たってしまった。

8歳の子供が、大人に太刀打ちするために

仕掛けてきたんだよな。こそっと確信犯で。


打たれるのはわかってる。

…から1回だけでも空振りさせたいんだコイツ。

本当は三振を獲りたいけど大人にはかなわないから。

ナメられて終われない。抵抗。


この歳なら、ヒジに負担かけるから変化球禁止じゃなかったっけ。

禁じ手を使いやがった。なりふりかまわず。お遊び野球で。

かっこいいじゃん、その意地みたいなもん。

僕にはなかったものかもな。



そういえば…。このバッテリー。この組み合わせ。

笑吉くんと僕は誕生日が一緒なのだ。

よくまっさんに

「これで血液型も一緒だったら、悪いけどロクな人間にならないよ」

なんて言ってたけど(ちなみに笑吉くんの血液型は未だに調べてない)



笑吉くんにとって今回の誕生日は記憶に残っただろう。

震災と津波と原発損壊の明くる日。12日。

多くの日本人が

「いったい何がおこったのか」わからないけど嫌な予感がした日。



地震と津波なら見える。

原発事故は子どもにとってどう理解したのだろう。

子どもにとって今、大人ってどう見えてんだろ。

スイッチを切っても温度が上がり続けるモノを作って、

目に見えない“何か”で、人の身体も農地も海も侵してしまったようだ。

そんな人の手におえないモノが、それでも必要な世の中で。

学校で習った日本地図の一部には、

しばらく“人が入ってはいけないマーク”がつくかもしれない。

それは“尊敬しなさい”と言われる大人がしたことだ。



それでなくても大人の背中なんて透けてるか…

『がまんしなさい』なんてえらそーに言ってても、

大人は欲しいものだらけじゃないか。


限定品ほど欲しくなるし、人のものほど良いものに見える。

手に入りそうにないものには執着するけど、

手に入ったら他の何かが目に映る。きっとそれも欲しくなる。

厄介で屈折した欲望は衝動を後押しして、行動のエリアに一歩はみ出す。

ヤっちゃうと開きなおる。バレてもいいんだ。

リスクのないように“事”を運ぶことを仕事と言うからね。

ヤバい時は誰かの所為にして。責めた相手を斬り捨てればいい。

理由は後から正当化できるよ、自分の中ではさ。仕方なかったと。

誰かを傷つけることは意外と自分にはカンケーないのさ。


政治なんてわからなくても、国同士も、仕事の関係も、友だちでも男女でも、

大人はそんなもんじゃないかとうすうす感づいてる。


見てるから。





彼だって、どうしてもいつか大人になるだろう。けど…。




誰かにナメられたとき、

意地で1球、カーブを投げるはずだ。







P.S
まっさんの店の名はSMILE。子どもは笑吉、笑花。
いい名前だよ。素直に笑える人になってほしい。
posted by 宇野伸茂 宇野正剛 at 20:24| 大阪 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月25日

16分前

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とある現場のリハーサルと衣装合わせが終わって

地下鉄早稲田駅近くをうろうろしてた。

14時半か…。中途半端な時間だったけど

せっかく学生街にいることだし、

“学生さんが行きつけにしている定食屋”さんに行ってみたい。

その“ククリ”には、大手チェーンの飲食店とは違う

どっか家庭的なウマさと安さと、人情なんかがあったりして…と勝手に妄想。



見た目が古ぼけてる…正直きたない、一軒の定食屋。

まるで昭和の理髪店のようなガラスの扉。黄ばんだショーケース。

食品サンプルは、カレー。とんカツ。焼肉…。

おぉ。“漢(おとこ)”を感じるバリエ。

ここかもな…。


よく喋るおじさんとおばさんがテンション高く迎えて…くれる

のがイメージだったが、

チキンカツ定食の食券を、アジア系の店員さんに渡して待つ。

…まぁ、それはいい。


音楽は流れていない。バラエティ番組が流れている。

天井に近く、高い位置に設置してあるアナログテレビは、

こういうトコには欠かせないものだ。


テーブルには『ご自由に…』ということであろうタクワンが、

ケミカルな黄色で容器からはみ出している。

外側にビラビラと1本2本へばりついてて、ヒルかナメクジみたいだ。

みんなもっと…キレイにとろうね。


作ってるのは親父さん…と他はアジア系店員さんが3人も居る。

昼食には中途半端な時間なのに、ひっきりなしに扉があく。

つまり、この店は繁盛している。



“オマタセ…シデシター”

ちゃんと言えてないけど、丁寧語が合体したこのかんじ、

接客の心としてOKだろう。




!…。



デカい…。

スーパーの、パック売りの鶏むね肉の塊の大きさ。のカツが2つ。

厚みも真ん中は3cm超えだ。

それに…ごはん。

手でつかんで誰かに投げつけたら、当たった場所が腫れそうな重量だ。

やわらかめの白飯を…こんなに押して盛ったら…重いって。


ムリかもしれん…。

学生街に浮かれてたな…しまった。

だがしかし…残したくない。食べ物を。

くそ。最近身体を絞り込んでいたのに。


隣で『○○定食大盛りで』と言いながら食券を店員にわたす男子。

『貴様、大盛りを食うのか』

と、心の中で軍人のようにつぶやきつつ。

そう、ここは“育ち盛り過ぎ?”の若者が集う学生街の定食屋なのだ。

“普通盛り”で、ひるんではいけない。



カツには何もかかってない。これはテーブルにあるソースを使えということか。

下に敷き詰められている、山盛りのきざみキャベツは嬉しい。こいつも、

『ドレッシングなんて、そんなコ洒落たものがあるワケないだろう、

その1本のソースで、カツと一緒にいけ』

という事だろう。 


よくドレッシングをかけずに野菜を食べたりするけど、

この少し乾き気味?の、大量のキャベツは後半きびしくなるかもな。

店員さんに何かないか聞いてみようか…

いや。

あるとしても、マヨネーズを“盛って”こられそうだ。

これ以上全体のバランスを濃くしてはならない。

それ以前に、マヨネーズはキャベツの乾きを潤すほど水分がない。むしろ、

一緒になって固体化していく気がする。


現状を受け入れよう。

『学生さん御用達の店』を望んだのは俺自身なのだ。


そう、いざという時のためにこの、蛍光に近い黄色のタクワンが居るじゃないか。

彼はこの店の“切り札”なのだ。どの定食を頼もうが、

ピンチの時には空気を変えてくれる個性派プレーヤー。


とりあえずチキンカツにいく。

味は…。揚げ物である。パワフルである。それ以上でも以下でもない。

後でネットで知ったが、この店は早稲田の学生さんから

『早稲田が誇る“三大油田”の内の一つ。』

と表現されていた。…さすがに頭の良い大学だ。 …油田て。


だが僕が味について言いづらいのは、

急いで食べているからだ。

満腹中枢が“何か”を感じはじめるその前に、

8割は食べないと無理だ。

重ねて…。食べ物を残すのがキライだ。


なんとか1つの塊を食べ、2個目にいこうとしたとき、




地震が来た。





アジア系店員達は仕事を放り出し、笑い、はしゃぎながら

店の外へ飛び出して行った。

揺れる天井を見ながら親父さんは、20人ほど居た客たちに言った。



『…出ようか…。古いしね…ビル。』



3月11日  14時46分。東京震度5。











写真は3月11日の朝、新宿。いい天気だった。
なんで撮ったのかわからないような写真。
posted by 宇野伸茂 宇野正剛 at 23:50| 大阪 ☀| Comment(2) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月08日

12月8日は

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この季節、とくに12月なんて

みんな何かと忙しい。

または、忙しくなくても忙しい気がする。

さらに、忙しくなくても忙しいフリをする奴までいる。

僕でさえもなにかと予定が入る中で

でもなぜか毎年、

ジョンレノンの命日だけは

たまたまふっと気づくんだよな。

MTVやスペースシャワーTVは

なんの特集もしないんだよ。音楽チャネルのくせして。


ジョンレノンは好きだけどしょっちゅう聴いてるわけではない。

ふっと。そういえば…っと、アナログレコードを引っ張りだして

聴いてみたり、面倒なときはベスト盤のCD聴くかんじ。

一応、ミーハー心で“NEW YORK CITY” Tシャツももってるし

ジョンレノンミュージアムにも行ってみたりした。


曲にもよるけど、ジョンレノンの声は

冬聴くと、室温がさらに下がりそうなほど涼しい。

命日は余計寒く感じるだろう。



12月8日。

殺される5時間前にサインをした相手から

シャレにもならない“リボルバー”で撃たれた弾は4発命中。

体の8割の血を失って死んだ。

「死ぬならヨーコより先に死にたい」

直前のインタビューで話した事を数時間後に実現させてしまった。

犯人マークチャップマンは襲撃現場で

「ライ麦畑でつかまえて」を読みながら逃げもしなかった。

映画かっ!とツッコミたくなるような殺人事件。

なぜか犯人目線の映画にもなった。



神的存在のジョンレノンの気持ちはわからないけど、

何かの病気と闘うよりも、

何かのプレッシャーと闘うよりも、

どこからか湧いて来る風評と闘うよりも

…要するに、自分と闘って死ぬよりも

少し楽だったのではないかと思ってしまう。

不謹慎だけど。突然の終わり。好きな女性のそばで。


そう、コ難しい印象のあるジョンレノンが

好きな女をこれでもかってほど世界に向かって

すきすき言ってたとこも好きだな。

二人の架空国家つくってしまったり。

アホっぽいというか、ちょっと安心する。

神じゃないとこ。男でしかないとこにね。

当時の人種差別的バッシングから、

ヨーコを守るためでもあったらしいけど、

そこまで一人の女性に惚れれるもんなんだなぁと。

あでも、遺作であり名作の1つ“ダブルファンタジー”は

個人的には、オノヨーコの曲を飛ばして聴く(笑。




好きな曲はいっぱいあるが


今回の命日は

(JUST LIKE)STARTING OVER

を聴きながら晩飯をつくろう。

これ、前から料理する時に向いてるな〜と思ってた。

軽くてノリノリで大雑把になれる(いいのかな)

歌詞も好きだしね。


“また生まれ変わろう”


ベスト盤なら次はWOMAN。

女はすっばらし〜って歌だ。




限りなくヤキソバに近いスパゲティーをつくろう。

ツナとかタマネギとかピーマンとか適当に。

ま、そういうのしか作れないんだけどね。







posted by 宇野伸茂 宇野正剛 at 01:01| 大阪 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月26日

はえ

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ハエを見てた。

天井に埋め込まれてる蛍光灯に

たまにちゃっ、ちゃっ…と当たりながら、

で、とまってみたり。


東京ー大阪のバス車中。

やたらにバスの話を書いてしまう

けど、まぁいいか。


僕の前の席にはガイジンさんのカップル。

彼らにとっては人目なんて気にならないのだろう、

時折、思い出したようにキスをしている。


クチュ… チュッ… 


女のほうだけ席を倒しているので、

対角線上に後ろに居る僕から、どうしても目に入る。

回数は多いが、一回一回は短いから気にならない。

真っ赤っかで、おかっぱの髪。

フィフスエレメントにこんなの出て来たような。



“席を倒すときには後ろの人に一声おかけください”

頭の真上にスピーカー。デカい音。

日本語だけのアナウンスを入れたところで、

この赤い女にはわからないだろがっ!

というのが、僕の隣に座ってる男の心の声だったろう。



通路を挟んで隣の男は

友人と話し疲れて少し前から眠っている。

寝息が個性的。


ホハーン…、ホハーン…、ホハーン…


すごく奇麗な電子音に聴こえる。

アニメーションに出てくる潜水艦の、レーダーの音。

敵艦の位置を計測するために回ってるやつね。

なんか緑っぽい光の、半球体のやつね。

この男の鼻孔から喉はどんなカタチで動いてんだろ。

意外とこの音だけは癒されたりして。リズムが一定。



ちゃっ、ちゃっ…

ハエのぶつかる音だけが耳ざわりだ。

あのハエは、どこで紛れ込んだのだろうか。

もうすでに半分を過ぎたけど。

休憩のサービスエリアで、扉が15分開いてたことに

気づかなかったのだろうか。


…まぁ、

ハエは自分がどこに居ようと気にしないか。

家に帰ろう…とかさ。

こいつは、それなりに早く飛ぶ事が出来るけど

その身体能力をはるかに超えた速度で

自分が生まれた場所から移動している事に興味がない。

仮に。

僕の降りる終点でこいつも外に出るとして。

また乗りなおさない限り、こいつはそこで暮らす事になる。


かつて居たとこから600kmもはなれた所で、

たぶん一生を終える。

分からないから気にしない。知らないから問題がない。


もし親が居て、家族が居て、友人が居て…

なんてことを考えれたのなら、気が狂う状況だろう。


“ゴメン、なんかよくわかんないけど結構遠くに来たみたい。

 空気の匂いも違うし、知ってる奴いないし。帰れそうもない”

“アンタまた、くっさい頭のおっさんについてったの!”

なんて、電話さえできないしさ。

途中下車しない方がいいよ

このバスは折り返すはずだから。

…って事も考えつかないから、たぶんコイツは降りちゃうのね。


それはそれでいいか。

東京も大阪も、発着場所は繁華街。

こいつが好きな腐った食い物にはこまらないだろう。

生きてけりゃいいんだ。

今は飽きもせず、蛍光灯にまとわりついてる。





地続きの国同士で

爆撃しあってても、自分の国が小さくなっていっても、

僕らは相変わらず蛍光灯しか見ていないのかもしれない。

気になるのはそれだけなんだ。

そやって生きてくんだよ。じゅうぶん。

というより、せいいっぱい。ぱっつんぱっつん。


上司が好きのキライの言って酒を飲み

不景気だと結婚しよかなって軽いハエが増えて、

なら中で出しちゃう?って子供を作ったはいいけど、

偽育児ノイローゼを理由に子供を廃棄する。ついでに離婚しよう。

心のつぶやきを他人に見せたい露出狂が増え、

“会いたくて”という歌詞が入った曲ばかりが流行るクセに

自分以外を愛する事はない。

遊びグセの抜けない親バエは子供を焼き殺し、

愛を理解できない子供バエは親を殴り殺し

子供たちは誰かをいじめて、大人は誰かにいじめられる。

それ以上に何を見る余裕があるんだろう。

うわ、なんかオザキユタカみたいになってきた(笑




すごいスピードで外は動いてるらしい。




もうすぐクリスマスだ。晦日だ。正月だ。

お馴染みの臭いがするゴミ箱を見つけては

そこにたかってみたりするから。

とりあえず、それがあればなんとなく大丈夫だから。





ホハーン…、ホハーン…、ホハーン…

この電子音は

何の音だろう。






posted by 宇野伸茂 宇野正剛 at 21:59| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月15日

クローバ

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預かってもらってた郵便物を引き取りに行く。

楽に走れるように高めに上げたバイクのサドルは

信号待ちがつらい。

手前の公園の縁石に片足をかけて…



四葉のクローバーという言葉を、ひさしぶりに思い出した。

幼稚園児のころだ


そのころは何の事だかわからない“しあわせ”になるために必要だと

信じてるのか、信じてないのか、とにかく

近くにいたであろう小さな女の子にあげたいと

ただ、いいカッコしたいだけで探したもの。


なぜだろう。

確かな記憶として

“あった!”と僕は何度も声を上げていた。

簡単ではないがいくつも見つけていた。


確かに。

そのころ住んでいた神戸市北区には

野原も、公園も、ダムも、建売住宅をがんがん造るための空き地も

いっぱいあった。

見つかったのは、それだけが理由だろうか。


僕は今、探し出せるだろうか。


クローバーが群生していても

その中に…1つだけでも見つけられるだろか。


たぶん此処にもあるだろう。 あると思うんだよ。

酸性雨に打たれ、紫外線に焦がされ、色んな物が飛び散ってる

今では、推定確立よりもはるかに“幸せを運ぶ”変異体は多いはずで。



一つ一つをつまんで、はじいて、逆の手に送って押さえて、

“探す”ことをやめない限りは続けるはずなんだけど、

すべてを見ようとするだろうか。


差し伸べた、その手の甲に押されて見えなかったものがあり、


“ここまでは無かった”と目印もつけられない場所だ、

曖昧さで逃してしまうものがあり、


少しだけ生えてる、離れたグループを見て、

あの数じゃないだろ。と、触れもしないものがあり。


一度観たはずの辺りには、絶対にない。と、

自分に言い聞かせて済ませた

“見なかった部分”があり。




あるのが前提じゃなきゃ、探せないのか。

ないかもしれないけど、探せないのか。



しあわせというものは。


風が吹いただけで見える角度は変わる

太陽が傾けば影は伸びる。


4枚目の葉っぱはそんな時に見つかるのかもしれない。




“これも四つ葉やんなー”


三枚葉のうちの、1枚の葉の裏に

小さな4枚目が生えてた。


僕はあの頃、確かに言った。






posted by 宇野伸茂 宇野正剛 at 06:03| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月05日

ウエノ

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関わってる自主映画の監督から

『人物像や物語について意見交換したい』という電話があり上野へ。


“少し遅れます”メールが届く。

僕は直前の用事で、長く室内に居たこともあって

喉が渇いていた。が、この場を離れるのもなんだし…と。


うっすら汗をにじませた監督は僕を見つけるなり、

『すみませんでした。コレ、飲んでください』

大人の男同士。軽いお詫び。無難な飲み物。ちょっとブレイク。

こういう時渡されるモノ、多数意見を推測するようなクイズがあったなら、

僕は“缶コーヒー!”と言うタイプだ。無難ってのを当てなきゃ。

うれしいタイミング。なんて素敵な人だろう。


…ん?


‘ウィダー印ゼリー’

水分っちゃあ水分ではあるが…。

すごい嬉しそうに差し出して…。0.5秒どうしようかと思ったが、

会うのが二度目だし、気持ちはホントうれしいし、

こういう場合、受け取らないという選択はない。

監督の育った家庭では喉が渇いたとき、

ゼリー状のものを飲むのが普通なのかもしれないし。


『ありがとうございます。お〜。コレ今飲むのもったいないな。

明日の朝ごはんにさせてもらっていいですか?』


僕が考え得る最高の返事をしたつもりだ。



監督に促されて妙にお洒落な焼肉屋さんへ…行ったが、

‘ウィダー印ゼリー’を、どうやら ‘印’ してきた監督は

食欲がなさげで、僕は一人で食う気にもならず。

話しながら呑むだけでは、でかい円形テーブルが

落ち着かない。


2杯飲んで。


ウ『上野公園行きませんか?コンビニで酒買って』

監『え?え〜。そ、そんなトコロでは…(申し訳ない)』


自腹接待?をしようとする

先方のサイフの中を無理矢理気遣ったのではない。

何度も書いてるが、僕は本当に‘外呑み’が好きなのである。

家のバルコニー、屋上、近所の川原でも

カバやカメのグロテスクな遊具がある公園も好きだ。



上野公園近くのコンビニ寄って…

そう。僕が好きな亀田製菓の‘韓国のり味うす焼’も購入。

コレ、季節限定コンビニ限定商品だそうだが

ウイスキーソーダに合い過ぎる。

去年、あまりの美味さに僕は亀田製菓に電話してしまった。

クレームかと身構えていた電話口の女性には

意味不明の賞賛トークだったであろう。

今後発売するかどうか分かりません…と聞いていたが見事復活。

どうでもいいがこのことだけは書きたかった。

韓国人の監督にも

監『これはオイシイです!』と言わしめた逸品である。

もうこれが最後くらいのタイミングじゃないか。手に入るのは。

一枚一枚が愛おしい…。来年が待ち遠しいものだ。

…だからこの話はどうでもいいのである。



西郷さんの近くのベンチで、‘呑み打ち’。

衣装候補を選抜作業したり、今回の物語、人物像、

違和感のあるシーンや、台詞について意見を聞かれたり。


もちろん雑談もある


上野公園には池がある。

『あの蓮池ってなんか怖くない?2,3人はヒト沈んでるよ』

と言ったら、

『ないでしょう』

と一言で返された。そりゃま、そうなんだろけどね。

真面目な人だ。



そろそろ解散しようかというタイミングで

近くのベンチで座ってたおじさんが話しかけてきた。



周辺はホームレスか、または

誰が横に居て、裸足で寝てても気にならない、

愛の強い?カップル。

話しかけて来たおじさんは、身なりは良く、

普通の清潔感はあった。


おじ「今日、泊まるトコあるの?」


2人「え?」


おじ「泊まるトコなかったらさ、一人ならなんとかなるよ」


監督は無視した。僕は質問の意味がよく解からなかったが


「あぁ、ウチらは泊まるトコあるよ」


何か答えた方が真意?がわかるかと。

気配が普通だったから。

ヤバそうな気配が驚くほどなかった。


おじ「いや、あるんだったらね…いいんだけど」



そのあと少し話してみたがよくわからず。


何かの中毒者にも見えず…。

ボランティアの類いでもないだろう。

僕ら2人をホームレスと間違うほど周囲は暗くはない。

し、そのおじさんが

そういう誰かを救済するような立場なら

思いっきり寝転がってる老人に声をかけるはずだ。




…後でネットで調べてみた。


どうやら“男として男が好きなおじさん”である可能性が高い。

モーホーさん。

上野公園近辺に多いらしい。


数十分前。公園に来てから

衣装候補を見せるために僕はタンクトップで

次々と脱ぎ着してたわけですよ。で、監督に見せる。

薄暗い公園で男2人がコソコソ、んなコトしてたら…変に見えるわな。

モーホーのおじさんが、

2人の男にナンパを仕掛けた…、と見るのが自然な、

とても不自然なシチュエーション。


しかし…、

「一人ならなんとかなるよ」

ってのは、ナンパにしても失礼じゃないのかね。

「どっちでもいい」ということ。

選ばれたいか?というとそれも困るが、

なんだろう。

まるで軽くフラれた気がする。


だいたいなんで上から目線なんだ。


だ〜れが、てめーなんかにっ、


俺の、誠心誠意のセックス、やってやるかってんだよー(in東京)

オッサンは絶対受け身のほうだ。ぜったい。

おぅ、なんだったら、このウイダー印ゼリー…





しばらくどっか旅に出た方がいい精神状態かもしれない。





posted by 宇野伸茂 宇野正剛 at 22:34| 大阪 ☀| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月27日

アルミ

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悔しいことがあった。

人に対して…と思ってたら、

結局自分に戻ってきた。

ブーメランだな。

ぐさーっと。


人はたぶん、誰でも嘘をつく。

理由があって嘘をつく。

それは仕方がないことだ。

それを酷いと言えるかと言えば、

僕には言えない。

嘘をついたことがないかと言えば、それこそが嘘になる。

おかしな話だ

誰かとトラブりたくないとか、傷つけたくないなんて、

少しだけ思えばこそ

嘘をつくもんじゃないのか。


でも結局は嘘をつかねばならない行動を

嘘をつく人はとってしまったのだけど。

でも結局は嘘をつかれるきっかけを

嘘をつかれた人は、つくったのかもしれないのだけど。



嘘は悪いものじゃないのかもしれない。

嘘が教えてくれる事だっていっぱいあるから。

例えば…


嘘をついた人間だからこそ、思う何か。

嘘をつかれた人間だからこそ、気付く何か。

嘘をつかねばならない時に思う何か。

嘘をつかれたことを気づいた時に思う何か。

直後に思う何か。

時間がたって気付く何か。


本当に大切な何か。


嘘は裏切りじゃないよ。たぶん。

だから見抜いてしまった嘘に

のってみるんだよ。

それでいいのかもしれない。

一つの嘘なんて、

生きてる上で

大したことじゃないよ。

がっつり、

馬鹿みたいにだまされて

のっかって。

嘘つかれる方が、救いもあるよ。



この深い炭坑の中を、カナリアを一羽連れて

歩き回ったところで、

ガスに気づいても逃げ出せる距離にいないじゃないか。

もっと深く掘りたかったんだ。先に進みたかった。

そこに行くと、スゴいもんが採れるのはわかってた。

爆発するかもしれない。でも堀りたいと思った。

あきらかに元気がなくなってくカナリアを

泣きながら胸の前に持って、

それでも先に進んだことがある。

何度だって死んでいるかもしれない。

心は。

でもそこで一度死んで、見えたものは

びくびくしてたころよりもしっかりしていて

確かなものになってる。

それが、ハッピーにつながることだってあるんだ。





お酒買い込んで、

江戸川沿いで、しこたま飲んだ。

今日は寒すぎた。



飲みほすたびに缶を握りつぶしてた。

やらかすぎるよ、アルミ缶。

原始人の持ってる骨付き肉の、骨っぽくつぶしたい。



つぶしかたが悪かったか、

指を切ってた。



馬鹿なことしてるよ



ったく。







posted by 宇野伸茂 宇野正剛 at 11:57| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月23日

1/8ケーキ

101012_205643.jpg


 どうでもいい話だけど、

 僕は気楽に呑むのが好きだ。何人で呑もうと。

 まぁ、何人か集まる“場”ってのは、
 
 用事が終わってもすぐに帰れない理由や、

 呑みながら分け隔てなく話そうよっていう

 “呑みにケーション(古)”ってのもあるから、

 たまには熱く語っても良いけど

 ちょうどいい配分ってものがある。


 例えば2時間呑むとしたら

 30分〜40分真剣に話せば

 あとの1時間半くらいは

 アホでお気楽な時間があればちょうどいいかと。

 いや、長くてもいいんだけど、

 経験上、お酒ってものが入って、

 アツい時間がそれ以上長くなると、かなりの確率で

 その場にいる誰かと誰かが意見対立したり

 誰かがムスっとするとこまで

 別の誰かが突っ込んでしまったり、

 下手すると泣くやつが出てきたり。

 過去、そもそもの議題をふった立場で、ヤな思いもした事があるので

 ヤバいムードになってくると

 別の誰かを見つけて、別のハナシのお題にすりかえたりもする。


 
 羽賀くん(仮名)は元ラガーマンで、初心者マークの役者さん。若い。

 彼とは東京のとある現場で出会ったのだが、

 かなりアツい。胸板も恐ろしく厚い。

 でも彼は飲み会では人に迷惑をかけないタイプである。

 ちなみに、男なのに長谷川理恵さんに顔が似ている。

 
 彼は集中力がとにかくすごくて

 害はないけど、一緒に呑むと質問攻めに合う。

 話しをするというより、ひたすら質問。

 …まぁ、こんな僕に興味を持ち、なついて(?)くれて

 色々聞いてくるのはそれはそれで悪い気はしないけど

 1時間30分を気楽に呑みたい僕としては圧倒されてくる。

 
 今、彼の一生懸命でまっすぐな眼差しの前で

 僕が

 『う○こっ!』とか、

 叫んだら…怒るよなぁ。とか思ったりする。

 頼むからほんの少しもリスペクトしないでね。こんな人間です。


 
 僕はその日、大阪に帰る予定だったが、

 彼も名古屋に帰るというので、同じ新宿駅まで一緒に移動。


 当然、彼は道中もよく質問してきた。

 バスの発着場所近辺についたところで

 僕は尿意をもよおした。


 僕『ごめん、俺ちょっとおしっこしてくるわ』

 羽『あ、そうですか。いいですよ』


 その会話での僕の意図は、僕が用を足してくるから

 そこで待っててよ、という意味なのだが

 彼はついてくる。し、横でしゃべってる


 羽『○vhv%$#h…、ところでドコ行くんですか?』

 仕方なく答える。

 僕『…イヤ、この時間になると地下入り口がしまるからさぁ、
   コンビニも遠いし…、し、仕方ない時にする場所があんの』

 羽『立ちションですか!やりますね』

 
 何をして “やりますね” なのかわからないが

 僕としては、羽賀くんにはついて来てほしくない訳で。



 まぁいいか。時間もないので彼を放置、

 僕はとりあえず周りをうかがいながら放ちはじめた…


 …。


 ! 気配。


 僕の左上腕と、羽賀君の右上腕が触れた。

 羽賀君が喋っている。


 僕の目を見て。


 しかし、やっぱり長谷川理恵さんに似てるな…って、


 …えっ!



 目が合っている?


 …なぜ目が合ってる?


 なんでそんな近くに居る!


 僕は放っている最中。


 ん?


 あぁ。なんだ。羽賀くんも“放っている”のかぁ。



 いやいやいや!


 女性にはイメージしにくいだろうが

 男同士が、一緒に用を足すときは

 同じ方向を向いてするもんです。

 トイレだって小便器は真横に並んでて…

 目が合うことはない。


 例えば、りくろーおじさんのチーズケーキを1ホール、

 8等分するとしたら、一片はかなり小さくなる。

 …えーと、僕と羽賀くんは、その8分割ケーキの曲線部分のように

 片腕同士が触れ合って、立っているのだ。

 おしっこの軌道が、切ったケーキの長い辺を表すとして、

 でも羽賀君は僕と目が合うのは、

 ケーキなら、二人の軌道の到着地点はケーキ中心のはずが、

(…この例えは通じてるのだろうか)

 話に熱中するあまり、肩が触れる距離で

 さらに僕よりに体を向けてしまってるワケです。

 もはやケーキのかたちではない。

 軌道としてエックス、いやプラス型に

 放っているわけです。相当近い。


 ここは暗い。

 …間違っても僕のズボンとかにかかってないよねぇぇ…、


 文字通り“不意打ち”をくらって(うまい)

 
 “ちょっ、近いよっ!かかるやん!”

 …とは言えず。


 『羽賀くんも、したかったんやね』

 意味不明の言葉を言ってしまった。


 そんな僕の気持ちをよそに

 羽賀くんは話し続けた。

 
 恐ろしい集中力だ。


 


 
 緊急事態だったので。立ちションはいけないと思いつつ。
 とある路地裏、ごめんなさい。
 ちなみに、写真は本文と全く関係ありません。
posted by 宇野伸茂 宇野正剛 at 02:41| 大阪 ☁| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月15日

テンシ

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 天使の人形を買った。

 …人形というのかな、壁に吊すような前半分だけ立体的なもの。


 男でこのテのものを部屋に入れるのは、

 メルヘンチックでサブい気もするけど、

 実は、結構昔から天使というもんが好きだったりする。

 トイレに天使の線画を置いてたりする。

 ミック・イタヤという人のイラスト。


 大人の男か女の天使が好きだ。どっちかと言うと女かな。

 …? 天使に性別とかあったかな。

 つまり、語れるほどのマニアではない。

 顔が小さくて羽根が大きいのが好きだ。


 神様らしき存在を信じないので、矛盾してるみたいだけど、

 僕にとっては別モノ扱いである。


 単純に、人に羽根がついてる見た目が好きなのかもしれない。

 レッドツェッペリンの天使マークはカッコいいし。いつ見ても。




 大阪は本町に船場センタービルという、

 阪神高速の高架下にやたら長く東西に続いてる問屋街がある。


 繊維関係やアジア雑貨の店とかが多い。

 確か10号館まである中で、


 1号館…が一番きわどいモノを売っている。

 うすい紫のサングラスをかけてる“マダム”が好きそうな

 ヨーロッパ調の家具やら雑貨やらの店が数あり…


 そう、そういうマダムは小便小僧に似た顔の

 “子供”の天使が好きそうだ。 たぶん。


 モチーフが薔薇だらけで、店全体がピンク色になっている店もあれば、

 ゴシック系アニメに出てきそうなシャンデリアの店とか

 ステンドグラスの店とか。

 べネチアンマスクを売ってる店もある。

 どうでもいいけど、

 ベネチアンマスクはいつか欲しい。しかも何個か。

 別に、女性と変なプレイをしたいとかではなく、

 いや場合によっては変なプレイをしても良いのだが

 あざやかで、どっか怖いマスクにはひかれる。道化っぽいやつも。



 20cmくらいの天使がセールワゴンの隅に吊られていた。

 近づくと、

 「500円」

 安っ!と思ったら、

 タグに「わけあり」とマジックでかいてある。

 少しヒビが入ってる。

 し、片方の羽根に釘かなんかを刺したような穴が二カ所。

 汚れているし。


 「展示品です」

 …ん。そりゃそうだわな。…いやどんな展示をしたんだ。


 しかし…

 この痛々しくも、ぴりっと綺麗な顔した天使が

 妙に気になって仕方がなかった。

 …というなりゆき。



 天使って、架空の世界でも役割が

 ざっくりしてるよな。

 善いやつも悪いやつも居るパターンがあるし。

 どこか半分人間のような中途半端な、ね。



 ヒトが

 死ぬ前とか死んだ時に

 どっかへ連れてく…という登場。

 そんなかんじ。


 それ以上のことはたぶんしないだろう。

 死神とどう違うのだろう。



 歯ブラシでごしごしこすってキレイになった。

 乾かすために


 ベランダに吊って干した。


 本当は当たり前なんだろけど。

 空に浮いてる天使は。



 妙な気分だ。数分眺めた。


101007_164336.jpg
posted by 宇野伸茂 宇野正剛 at 00:55| 大阪 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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