2007年12月06日

黒いバターと小さな空

2007sjk3.jpg



おそらく。

最近の気温って、大阪も東京もそう変わらないはずだ。

けど。

東京の冬は、色が重い…気がする。


もちろん街には。電光のあらゆる色や

うんざりするほどの雑音が

連続花火みたいに飛び交って、

それはそれは鮮やか…というか

カラダに悪そうなアメに似た異常彩色なんだけど。



人が黒い。


冬に着る服はなぜ黒が多いんだろうね…。

全国どこに居ても気にならないことが

ここでは気になってくる。

人の数がちがう。


今乗ろうとしてる電車も、次の電車も

その次の電車にも人がいっぱい乗っているここで。

黒い服を着た人たち。


眠る。ヘッドフォンで音楽を聴く。本を読む。

みんな他人を避けている。

車内アナウンスと、走行音をのぞけば

クローゼットの中に居るような静けさ。


どこか現実味がない。

そう言えば。

僕も黒い服を着てた。



ここでは。

人工のもののほとんどが、極彩色を放っているここでは、

造られた“物”にだけ、パーソナリティがあるのかもしれない

その方が安全なのかもしれない。


ここでは。

人そのものが“影”かもしれない。


街にある、本当の影にも人が横たわっているけど。





むかしむかし、あるところに、


ちびくろサンボという黒人の少年がいました。
 
お母さんはマンボ、お父さんはジャンボという名前です。

家族3人で、とても仲良く暮らしていました。

サンボ少年は、ジャングルで虎に襲われるたびに、

両親からもらった

鮮やかな色の、上着、ズボン、靴、カサを差し出して

食べられずにすみました。

4頭の虎に出くわした少年はハダカになってしまいました。


それぞれの虎たちが去り際に決まって言ったのは


「俺様がこのジャングルで一番偉いんだ」


その4頭の虎たちはある日、ケンカをはじめました。


「俺が一番偉いんだ!」


サンボ少年が隠れて登ったヤシの木の下で

たがいのしっぽに噛み付いたまま、

相手を食べてしまおうと追いかけます。

それぞれの虎が、前の虎のしっぽに噛み付いたのですから

ヤシの木の下で虎の輪ができあがり、

ぐるぐるまわり始めました。

あまりに高速なその虎の輪は

やがて、溶けてバターになってしまいました。


サンボの家族は、そのバターでホットケーキを

たらふく食べましたとさ。



…一時、発禁になった“ちびくろサンボ”の話。




黒いバターになる前に。

僕は僕でありつづけなければならない。

身体半分が溶けて落ちたとしても

僕は空に手をのばしてやる。

小さな空に。



新宿だって早朝は空気が透き通ってる。

夜に隠れてた影にも陽が差し込んでくる。




僕の片手がはっきりと見える。






posted by 宇野伸茂 宇野正剛 at 05:10| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。